以前、「いじめを防ぐ呼吸法」という記事を書いた。

今回はその続編である。

イザという時、脳は頼りにならない

人間は頭で考える生き物である。普段、脳で考え、神経で伝令を出し、筋肉を動かし、行動している。

だがイザという時…たとえば、敵とケンカしなければならなくなった時…、命のやり取りをしなければならなくなった時…、脳を頂点とする指令系統は使えないことが多い。

皆さんも、経験したことがあるだろう。大勢の人の前で何かを発表する時、緊張して、頭が真っ白になり、何もできなくなってしまった事を。

人間はイザという時、緊張し、脳を頂点とする命令系統がまったく使い物にならなくなってしまう「悲しい生き物」なのである。

呼吸をコントロールすれば緊張から開放される

では、そういう時、緊張せずに動けるようになるにはどうすれば良いのか?

【呼吸】である。

脳の代わりに、呼吸で全てをコントロールするのである。

呼吸を頂点とする「命令系統」は、脳を頂点とする「命令系統」とは、まったく別のルートなのである。

たとえば、オフィス街などにあるビルを思い出してみてほしい。

たいていは、電力会社から供給される電源とは別に「自家発電」の電源システムを持っている。

これと同じように、人間には、脳ではなく「呼吸」によって駆動される回路が備わっているのだ。

この「呼吸を頂点とした回路」を極限にまで開発した人達が、《超人》と呼ばれている人達なのである。

呼吸を訓練すれば、いじめも撃退できる

呼吸を頂点とする「命令系統」を開発できれば、脳を介さずに行動することができるようになる。

人間の脳というものは保身機能が備わっているので、イザという時にどうしても弱い。

  • やられたらどうしよう?
  • ケガをしたら痛いだろうな?
  • ますます相手を怒らせてしまうかも…

…などなど。

全ての人間の心配事は、脳を使った命令系統から生み出されてくる。

だから、脳を使わなければ、恐怖を感じることもない、緊張することもない。

呼吸法は脳の弱点を極限にまで鎮め、フェードアウトしてくれるのだ。

呼吸法を極めれば、いじめに遭おうが、暴漢に襲われようが、恐怖に支配されず冷静に対処できるようになる。

イザという時、緊張で体が動かないなどという悲劇とはおさらばできるようになるのだ。

呼吸法を解説している書籍はたくさんあるが、基本はとにかく腹式呼吸である。

腹で息を吐き、腹で息を吸うことから実践してみて欲しい。